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カカオと、静かに向き合うということ
チョコレートを口にしたとき、なぜかほっとしたことはありませんか。 あの感覚の正体が、ずっと気になっていました。 チョコレートが好きになったのは、ベルギーに住んでいた頃でした。 本場のチョコレートの美味しさに触れ、 これまで知っていたものとはまったく違うと感じたのを覚えています。 ただその時はまだ、チョコレートが「カカオからできている」ということを、 深くは理解していませんでした。 転機になったのは、2014年に飲んだ一杯のドリンクでした。 カカオと砂糖だけで作られた、シンプルなもの。 濃厚で、まるでエスプレッソのような力強さがあり、 口にした瞬間、驚きました。 こんなものがあるのか、と。 その日から、チョコレートではなく、 素材としての「カカオ」に、興味を持つようになりました。 カカオを知るほどに、その奥深さに引き込まれていきました。 産地によって香りが異なり、 発酵や焙煎によって味わいが変わる。 それまで"甘いお菓子"だったチョコレートが、 土地の記憶、文化の積み重ね、人の手仕事が重なり合った存在として、 少しずつ見えるようになっていきました。
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