今年もたくさんの素晴らしい出会いと経験に恵まれた1年でした。今日は、この1年を振り返り、来年に向けた想いを書き綴りたいと思います。
1月: サロン・デュ・ショコラ視察
年始早々、新宿伊勢丹で開催されたサロン・デュ・ショコラを視察しました。国内外の多くのショコラティエが集うこのイベントは、トレンドを知る重要な機会です。最新のチョコレートの流行を知るだけでなく、業界の人々と意見交換ができ、刺激を受けました。特に印象的だったのは、予約困難なMAZレストランのカカオプレート。サンティアゴシェフともお話することができ、本当に貴重な出会いとなりました。
2月: Chocoa視察
オランダのアムステルダムで開催されたチョコア(Chocoa)にも視察に訪れました。世界中から多くのカカオ関係者が集まり、サステナブルなカカオに関する議論が活発に行われました。各国のカカオ生産やカカオ・チョコレートに関する今後の動向を把握でき、自身のビジネスにも役立つ知見を得ました。
MUSAとZOTOによる、ペアリングワークショップ
コロンビアのムサ(MUSA)のスペシャリティカカオ豆を使ったテイスティングに参加しました。コロンビア内でも地域や農園、発酵方法などによって味わいが変わります。それぞれの特徴を活かして作られたカカオ70%チョコレートに合わせるのは、ナッツとラム酒、チーズの3種類。特にチーズとのテイスティングは本当に素晴らしかった。ペアリングの面白さを改めて実感した体験でした。
未来のチョコレートについてのフォーラム
イギリスのKNOOPSやフィリピンのAUROが各国のチョコレートの歴史と共に、自国での成功体験から未来のチョコレートについての討論会が行われました。各国ドリンク需要が増えており、これからのトレンドを感じる内容でした。
3月: ビーントゥバーチョコレートマーケット主催
日本ビーントゥバー協会として地元福岡の飯塚市商店街で第三回目となるビーントゥバーチョコレートマーケットを開催しました。国内外クラフトチョコレートメーカーが集い、地域の人々にビーントゥバーの魅力を伝える機会となりました。イベントを通じて、多くの方がカカオやチョコレートに興味を持ってくださり、協会メンバー同士や地域コミュニティとのつながりを作ることができました。
4月: カカオショック
4月にはカカオの供給不足や価格高騰、いわゆる「カカオショック」が業界を揺るがしました。数ヶ月でカカオ価格は1年前の3倍以上に急騰する原材料の高騰に直面し、今後のサプライチェーンの安定化について深く考えるきっかけとなりました。これを機に、持続可能なカカオ調達の重要性を改めて認識し、農家との直接的な関係構築を作っていく必要があると強く感じました。
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5月: カカオごとの店舗構想をプランニング
『カカオごと』の実店舗構想について本格的にプランを練り始めました。祖母が使っていた山小屋を一部改装して、カカオと茶事をかけ合わせたコースを五感で楽しめる体験型の店舗を目指し、具体的なアイデアを形にしていきました。将来のビジョンを考える中で、ブランドとしての方向性もさらに明確になったと感じています。
6月: ソロモン諸島訪問
ソロモン諸島へ出張し、現地のカカオ農園を視察しました。直接農家と対話し、カカオの育成方法や課題を共有しました。この経験を通じて、カカオの背景にあるストーリーや、栽培に込められた想いをより深く理解することができました。
ソロモン諸島の詳細はこちら
7月: お店オープン
祖母の100歳の誕生日に自身のお店をオープンしました。拠点ができたことで、直接カカオの魅力を体験できる場が生まれました。
トラブルの連続でしたが、普段は施設にいる祖母もお店に来てくれて、皆でお祝いすることができました。
8月: カカオ菓子
特に宣伝は行わず、ひっそりと静かにお店をスタートしたのですが、少しずつ知っていただけるようになり、茶事のお茶菓子として選んでいただける機会もでてきました。お客様から「特別なひとときに使いたい」と言っていただけたことが本当に嬉しく、カカオの新しい可能性を感じるきっかけになりました。
9月: 東京チョコレートサロン出品
東京で開催されたチョコレートサロンにコラボ商品出品しました。私も会場に行き多くの新しいお客様と出会うことができました。自社製品への反響も大きく、今後の展開に繋がる良い機会となりました。
10月: パリのサロン・デュ・ショコラ出展
パリのサロン・デュ・ショコラに出展し、国際的な舞台でブランドの存在感を示すことができました。
海外のお客様の反応から、改めて日本文化の関心の高さを実感したと同時に『カカオごと』を世界に広げる可能性を感じました。
11月: 東京クラフトチョコレートマーケット出店
国連大学前で開催されたクラフトチョコレートマーケットに出店しました。茶室トレーラー内でカカオ体験と商品販売を行いました。多くの方にカカオの魅力を直接伝えることができ、実演販売や試食を通じて、お客様の好みを知るとても良い機会となりました。
12月: 定期ワークショップ開催スタート
12月からは、博多阪急にてワークショップを定期的に開催することになりました。カカオの知識を深め、生活に取り入れながら日々を楽しむ内容を月替わりでご提供しています。お客様と直接交流し、カカオの魅力を伝える場をお店以外でも作っていきたいと考えています。
今年1年もたくさんの方々に支えられ、過ごすことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。2025年も、カカオを通じて心豊かな時間をお届けできるように努力してまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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