香りを、見るということ
- 2 日前
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更新日:21 時間前
カカオごとの香の図

チョコレートを口にする前に、 まず、香りが来ます。
鼻に近づけた瞬間に広がるその香りが、 これから口にするものへの期待を、静かに形作っていく。
香りは、味わいの入口です。
けれど香りは、目に見えない。 感じることはできても、言葉にするのは難しく、 人に伝えようとすると、どこかもどかしさが残る。
カカオごとの「香の図」は、 その見えない香りを、目で見えるかたちにするために作った、 オリジナルの指標図です。
源氏香図から、ヒントを得て

Photo by 文化遺産オンライン
香道に、「源氏香図」という図があります。
平安時代に生まれた香道は、香りを「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現します。 「聞香(もんこう)」——耳を澄ませるように、香りに静かに向き合う。 その姿勢そのものが、香道の美意識です。
源氏香図は、源氏物語の各帖に対応した香りの名前が記された図で、 参加者が目を閉じて香りを聞き、どの帖かを当てる「香合わせ」という遊びに使われていました。
複雑で見えないものを、 図というかたちで捉えようとした先人たちの知恵。

カカオごとのロゴは、この源氏香図からインスピレーションを得て生まれました。
「CACAO」という文字を、香の図の縦棒のかたちで表現したもの。 香道の美意識と、カカオの香りへの敬意を、 ひとつの図形の中に重ねています。
異なる文化圏から生まれたふたつが、 「香りを深く聞く」という姿勢において、 静かに共鳴している。
そのことを、ロゴに込めました。
香の図の読み方
カカオごとの香の図は、チョコレートの香りを6つの要素で表しています。
フローラル、フルーツ、ナッツ、チョコレート、スパイス、酸味。
それぞれを5段階で評価し、棒の長さで表現します。
棒が長いほど、その香りが強い。 長さにばらつきがあるほど、個性が際立っている。 同じくらいの強さのものは、横棒でつながります。

たとえばタンザニア産のチョコレートであれば、 酸味とフルーツの棒が長く伸び、 鮮やかで生き生きとした香りの輪郭が浮かび上がります。
農園や発酵方法、焙煎によって、 同じ産地でもまったく異なる表情を見せることもある。
この図は、答えではありません。 「自分はどんな香りに惹かれるのか」を知るための、 最初の地図です。
香の図を、使ってみる
香の図を手元に置いて、チョコレートを口にしてみてください。
それまで漠然としていた香りが、 突然、輪郭を持ち始めます。
「あ、これがフルーティーということか」 「この酸味は、こんなに鮮やかだったのか」
言葉にならなかったものが、少しずつ、見えてくる。 その瞬間が、カカオを味わう体験を、深く変えます。
カカオが持つ香り成分は、1000種類以上といわれています。
産地によって異なり、 季節によって変わり、 ペアリングするものによっても、まったく違う表情を見せる。
その複雑さと多様性を、 ぜひ自分の感覚で、確かめてみてください。
カカオごとでは、産地別のカカオ100%チョコレートをオンラインショップでご用意しています。
茶筅で点てるカカオ一服として、あるいはそのままテイスティングとして——香の図を手がかりに、産地ごとの香りの違いを比べてみてください。


































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