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カカオ一服という時間

  • 3月31日
  • 読了時間: 3分

チョコレートを、飲む。


その発想は、実は新しいものではありません。


カカオは古代より、飲み物として人と深く結びついてきた植物です。儀式に、薬に、日々の滋養に——液体としてのカカオが、長い歴史の中にありました。


甘い固形のチョコレートとして世界に広まったのは、ずっと後のこと。


カカオ一服は、その原点に立ち返る一杯です。



なぜ、茶筅で点てるのか



カカオ100%のチョコレートにお湯を注ぐ。


それだけでは、カカオの脂肪分と水分はうまく混ざり合いません。分離し、香りも十分に立ち上がらない。


茶筅で素早く点てることで、はじめて乳化が起き、香りが解放され、なめらかな一杯になります。


茶筅という道具は、抹茶のために生まれたものです。けれど、カカオと出会ったとき、まるでここに来るべくして来たような自然さがありました。


お客さんによく聞かれます。「どこからこの発想が?」と。


正直に言うと、今となっては思い出せません。カカオと茶筅が、いつの間にか手の中で出会っていた。そうとしか言いようがない。



点てるという所作は、ただ混ぜることではありません。


お湯の温度を感じながら、カカオの香りが立ち上がるのを待ちながら、静かに手を動かす。その時間が、カカオ一服の始まりです。



カカオ一服の時間



カカオごとでは、カカオ一服を茶事の流れの中でお届けしています。



まず、一口。


砂糖もミルクも加えていない、カカオそのものの香りと味わいが、碗の中から立ち上がってきます。濃厚で、力強く、カカオという植物の生命力がそのまま口の中に広がる。



次に、カカオごとロゴを象った和三盆を一口。


口の中に和三盆がある状態で、もう一度カカオ一服を飲みます。


するとその瞬間、和三盆がホロッと溶けて、口の中でチョコレートが生まれます。砂糖とカカオが出会うことで、それまでとは異なる香りが立ち上がる。カカオ一服だけでは届かなかった新たな風味が、静かに広がっていきます。


そして、時間をかけて、少しずつ。


カカオ一服は濃厚です。一口ずつゆっくりと、時間をかけて味わってください。


その間に、温度が少しずつ変わっていきます。温度が下がるにつれて、粘度が変わり、香りの立ち方が変わる。最初の一口と、最後の一口は、同じ碗の中でもまったく違う表情を見せます。


その変化の過程そのものを、カカオごとでは大切にしています。



産地が変われば、香りが変わる



使うチョコレートの産地によって、カカオ一服の表情はまったく異なります。


フルーティーな酸味が際立つものもあれば、深く大地を感じるような力強さを持つものもある。フローラルな軽やかさが漂うものもあります。


砂糖もミルクも加えないからこそ、産地の個性がそのまま届く。カカオ一服は、カカオという植物の多様性を、最も正直に伝える飲み方でもあります。


カカオごとオリジナルの指標図「香の図」を手がかりに、自分の好みの産地を探してみてください。産地が変わるたびに、まったく違う土地の記憶が広がってきます。



一杯のカカオ一服は、ただの飲み物ではありません。


カカオという植物の歴史と、産地の記憶と、点てる人の所作と、和三盆との出会いが重なり合って、はじめて生まれる時間です。


カカオごとの店頭で体験した後、その時間を日常に持ち帰ることもできます。産地別7種のチョコレートセット「七服」と、カカオのために設計したカカオ碗を、オンラインショップでご用意しています。碗と茶筅と七服——カカオ一服をはじめるためのセットも、近日販売予定です。


自分だけの一服を、日々の暮らしの中に。



七服・カカオ碗は → ONLINE SHOP 

店頭でのカカオ一服体験は → RESERVATION


 
 
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