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茶会
同じ時間は、二度とない。季節の菓子と、丁寧に淹れたカカオティーとともに、一期一会のひとときを。


島の記憶
南の島の産地を訪ねると、いつも同じものに出会います。 ココナッツと、マンゴー。 朝でも昼でも、誰かが何かを剥いていました。 熟した甘さと、湿った空気が、いつも一緒にありました。 マンゴーに、カカオニブ パプアニューギニア ソロモン諸島 ソロモン諸島でも、パプアニューギニアでも、切ったマンゴーにカカオニブを散らしたものが出てきました。 パプアニューギニアでは、半分に割ったココナッツが器でした。 これは、島に昔からあった食べ方ではありません。 カカオ産業を支える人たちが伝えたものです。 産地では長いあいだ、カカオは豆のまま出ていくものでした。育てた人が、その味を知らないまま終わることも珍しくありません。 その豆が砕かれて、島の果実の上に戻ってくる。 今月の菓子は、この一皿から始まっています。 ココナッツの木の下で カカオの木のすぐ横に、ココナッツの木が立っています。 喉が渇けば実を落とし、穴を開けて飲む。飲み終えたら割って、白い果肉をスプーンですくう。 飲みものも、器も、そこにありました。 分け合う食卓 村では、切った果実が大皿にのって回ってきます。


涼を味わう
夏になると、涼しさを探します。 冷たい水。風の通る木陰。夕暮れに聞こえる風鈴の音。 日本には昔から、 目で涼を感じ、音で涼を感じ、香りで涼を感じる文化がありました。 今年の七月は、そんな「味わう涼」をテーマにしました。 結晶カカオ 今月お届けするのは、結晶カカオです。 結晶カカオは、カカオごとが考案した新しいカカオ菓子。 一般的なチョコレートとは異なり、暑い季節でも、ゆっくりと味わえるよう仕上げています。 今月は、カカオパルプの果実感と、マカンボのやさしいコクを合わせた、白い結晶カカオをベースにしました。 カカオの果実 カカオの実を割ると、白い果肉が現れます。 これがカカオパルプです。 白桃やライチを思わせるみずみずしい甘さと酸味。 チョコレートになる前だけに味わえる、カカオ本来の果実です。 今回は、その果実感を生かした結晶カカオに仕上げました。 三つの味わい 今月は、三種類をご用意しました。 グリーンレーズン グリーンレーズンを包み、タンザニア産 Kokoa Kamili のカカオニブを合わせました。 果実のみずみずしい甘さのあと、マスカットを


雨と余白
水のことを、考えていました。 梅雨の季節になると、雨がよく降ります。 しとしとと、静かに降り続ける雨。 日本人はこの季節を「うっとうしい」と言いながら、どこかで愛してもいる気がします。 雨の音を聞きながら、ふと思いました。 私たちが口にするものの多くは、水でできている、と。 八木山の水 カカオごとのある八木山は、水が美味しいことで知られています。 周辺には複数の水汲み場があり、地元の人たちが足を運びます。 地下水の質が良く、昔からこのエリアに暮らす人たちにとって、水は当たり前の恵みでした。 カカオごとでは、井戸を掘ってその水を汲み上げています。 35年前、祖父母がこの建物を建てたとき、一緒に掘られた井戸です。 祖父母の時代から、この場所に水が湧いています。 その水が今も、菓子をつくるための水になっています。 錦玉と水 錦玉は、水の菓子です。 寒天を水で溶かし、糖を加えて煮詰め、静かに冷やし固める。 そこに使うのが、カカオパルプです。 カカオの実を包む、果肉のような部分。 酸味とフルーツのような香りを持つ、水分の多い素材です。 カカオごとの錦玉には


発酵と旨味
醤油を探していました。 カカオと合わせるための、醤油を。 けれど探してみると、添加物の入っていない醤油は、思っていたよりもずっと少なかったのです。 カカオごとは、添加物や着色料を使わずにチョコレートや菓子を作っています。だから醤油も、同じように丁寧に作られたものを使いたいと思っていました。 そんな中で出会ったのが、地元の金芳醤油製造元でした。 100年以上続く醤油蔵。2022年には、伝統的な木桶仕込みを復活されたそうです。 微生物の力を借りながら、ゆっくりと発酵させる。一年以上の時間をかけて熟成させる。 その話を聞いていると、どこかカカオに似ていると思いました。 時間を受け継ぐこと 醤油の歴史を辿っていくと、第二次世界大戦後に大きく変化したことも知りました。 昔ながらの製法は、失われかけた時代があったそうです。 それでも残そうとした人たちがいて、今につながっている。 そう思うと、当たり前のように口にしている醤油の見え方が、少し変わりました。 カカオもまた、発酵や乾燥に多くの時間と手間を必要とします。 添加物を使わないこと。時間を急がないこと。..
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