雨と余白
- 6 日前
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水のことを、考えていました。
梅雨の季節になると、雨がよく降ります。
しとしとと、静かに降り続ける雨。
日本人はこの季節を「うっとうしい」と言いながら、どこかで愛してもいる気がします。
雨の音を聞きながら、ふと思いました。
私たちが口にするものの多くは、水でできている、と。
八木山の水

カカオごとのある八木山は、水が美味しいことで知られています。
周辺には複数の水汲み場があり、地元の人たちが足を運びます。
地下水の質が良く、昔からこのエリアに暮らす人たちにとって、水は当たり前の恵みでした。
カカオごとでは、井戸を掘ってその水を汲み上げています。
35年前、祖父母がこの建物を建てたとき、一緒に掘られた井戸です。
祖父母の時代から、この場所に水が湧いています。
その水が今も、菓子をつくるための水になっています。
錦玉と水
錦玉は、水の菓子です。
寒天を水で溶かし、糖を加えて煮詰め、静かに冷やし固める。
そこに使うのが、カカオパルプです。
カカオの実を包む、果肉のような部分。
酸味とフルーツのような香りを持つ、水分の多い素材です。
カカオごとの錦玉には、すべてこのカカオパルプが使われています。
シンプルな工程だからこそ、水の質がそのまま味に出ます。
透明感のある錦玉をつくるには、余計なものが入っていない水が必要です。
八木山の井戸水は、その意味でも、この菓子に合っていると感じています。
余白について

錦玉の美しさは、透明感にあります。
光を通す、あの静かな輝き。
透明であるということは、余計なものを持たない、ということでもあります。
梅雨の静けさも、どこか似ています。
雨が降り、空気がしっとりと落ち着く。
急かされるものが、少し遠のく感じ。
余白とは、何もない空間のことではなく、ゆっくりと満たされていく時間のことかもしれません。
水は、そういう時間を静かに運んでいます。
六月の錦玉

今月は、二種の錦玉をつくりました。
山椒と小夏。どちらにもカカオパルプを使っています。
山椒は、和歌山県のきとら農園の香り高い和山椒を使用。
ピリッとした刺激が、疲れた身体にぴったりです。
小夏は、爽やかな酸味とピールの苦みとのバランス。
二つとも、初夏を感じる素材です。
光に透かすと、色がわずかに変わります。
口に含むと、香りがふわっとひらきます。
お茶やハーブティー、もちろんカカオティーとの相性も抜群です。

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