Chocoa
- 6 日前
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世界の最前線で、カカオごとの表現を届ける

Amsterdam, Netherland 2026
カカオの未来が議論される国際的な場、Chocoa。その最前線に立つ機会となりました。
Chocoaは、世界各地のカカオ生産者、チョコレートメーカー、研究者、バイヤーなどが集まる国際的なイベントです。カカオ産業の未来やサステナビリティ、チョコレートの新しい可能性について議論が行われる場でもあります。
今回カカオごとは、ブース出展に加え、Technology & Innovation in Chocolate をテーマにしたセッションで登壇し、さらにワークショップも行いました。
登壇・ワークショップ・ブースそれぞれが異なる形でカカオごとの世界を発信する機会となりました。
「チョコレートは溶けるもの」という前提を問い直す

Chocoaの Chocolate Makers Forum では、「Technology and Innovation in Chocolate」というテーマのセッションで登壇しました。
私が話したのは、結晶カカオ——Structure-Driven Chocolate(構造でつくるチョコレート)についてです。
暑い地域では、チョコレートは溶けてしまうために、味わう前に選択肢から外されることがあります。
溶けて形を失うとき、繊細な香りの一部も同時に失われます。高品質なカカオが持つフローラルな香り、果実のニュアンス、発酵由来の複雑さ——それらが届かない場所がある。
そのヒントは、日本の和菓子文化にありました。溶けなくても、噛むことで香りが広がる菓子がある。
溶けない=風味がない、ではない。
その気づきから生まれたのが、特許申請中の結晶カカオです。
約48℃でも形を保ちながら、カカオ本来の香りを届ける。

「チョコレートは溶けるもの」という前提は、ひとつの構造に過ぎない。
構造が変われば食感が変わり、食感が変われば香りの知覚が変わり、チョコレートの定義が広がる。
これは単なる新しい製法ではなく、カカオの可能性を広げるための試みです。
そうした問いかけを、世界の専門家たちに向けて発信しました。
Cacao Meets Japan ワークショップ

会期中にはCacao Meets Japanのワークショップも行いました。カカオを味覚だけでなく、香りや文化、体験として楽しむ時間を届けました。
一期一会、間、おもてなし——日本の茶道の精神をもとに、カカオパルプやハスクを使った和菓子、そして茶筅で点てる「カカオ一服」を通して、異なる文化が交わる場をつくりました。
世界のカカオ専門家や愛好家たちに、日本の感性とカカオが出会う瞬間を体験してもらうことで、言葉以上に体験を通して伝わるものがあることを実感しました。
ワークショップは予定の倍以上のお客さんが入り、満席で参加できなかった方がブースまで「入れなかったので、ぜひ次回は参加したい。」と伝えに来てくれました。
ブース出展

会場では、カカオごとのブース出展も行いました。
展示・販売したのは、結晶カカオ(3産地別)、カカオパルプとハスクを使った和菓子の錦玉、カカオハスクで釉薬を作った唐津焼のカカオ碗、そしてドリンク用7産地のカカオ100%チョコレートセット「七服」。
日本の素材感とカカオが交わるラインナップです。

登壇の効果もあってか、反応は想像以上でした。菓子類は1日目ですべて完売。
日本への関心、登壇で生まれた興味、ワークショップの体験——それぞれが重なって、ブースへの流れをつくっていました。
一つひとつの場が、次の場につながっていく感覚がありました。
Chocoaという場で感じたこと

Chocoaには、カカオ業界の最前線にいる専門家たちがリアルタイムで集まります。
Cacao of Excellence——上質なカカオ豆の生産に取り組んできた産地の生産者たちの表彰式があり、今年は初めてそのカカオ豆のオークションも実施されました。
生産者の仕事が、国際的な場で名前と価格を持つ瞬間を目の当たりにしました。
また、テクノロジーを活用したトレーサビリティの実装が、想像以上に多くの企業ですでに進んでいました。産地から消費者までの流れを透明にしようとする動きが、着実に広がっています。
こうした専門家が集まる場所に、日本のブランドとして結晶カカオを持ち込み、世界に紹介できたことには大きな意義がありました。
日本からの視点や解釈が世界にどんな印象を与えるのか、どんな効果をもたらすのか——それを直接感じられる場所でもありました。
カカオごとにとってChocoaは、これからの活動を世界とつなぐ重要な場のひとつです。
そして、その接点はこれからさらに広がっていきます。

